つれづれなるがままに

つれづれなるがままにひぐらし。すずりにむかいてこころにうつりゆくよしなしごとをそこはかとなくかきつくれば、あやしうことものぐるおしけれ。

10分創作#3「野良猫との逢瀬」

野良猫との逢瀬

 

最近よくみる顔見知り程度の

そんな距離感

僕は君を認識しているけれど

君は果たして気づいてくれているのかな

そんなことを考えて見つめていたら

なんとなしに眼が合いそうになって

慌ててそらした

首輪はなし

でも毛並みは上々

君はどこに住んでいるの

触ってもいい?

心の中はおしゃべりなのに

なんだって近づけないんだ 意気地なし

ここにくれば逢える

そう知ってから何度目か

君のくせもちょっと覚えた

あくびをするときに目をぎゅっとつぶること

毛づくろいは肩から始めること

花より蝶がすきなこと

水飲み場のポタポタ垂れる水滴をキャッチするのがうまいこと

それでもまだまだ出会うたびに新しいことに気づくんだ

そう今日もまた新しい発見。

君に逢えると知ってからここに寄るのが楽しくなって

なんだか君に会うのが本当の用事みたい

君と待ち合わせてる

言葉を交わさない待ち合わせ

二人とも互いにいるのを確認しあうだけ

バイバイまたね、また明日

そう心の中で伝えてさようなら

10分創作#2【黒猫の誘惑】

黒猫の誘惑

 

吐息が聞こえる

安らかに寝てんなぁ、おい

お腹が上がって、下がって

一定の間隔できちんと呼吸している様がきちんと目に取れる

スピー。スピー。スピー。

なんとなしなんだが、見とれてしまう

スピー。スピー。スピー。

ちょっとちょっかいかけたら起きるかなだなんていたずら心

人差し指がウズウズしてしまう

いやいや、この寝ている時が天使なのですよ

もうちょっとこのまま見とれていましょう

相反する心が二つ

結局、差し出した右手は触れることはなく、頬を支える柱になった

あぁあぁ、なんだって、今なんだろね

今ならちょっと遊んであげられるのに

残念だね、まぁでもなんだか幸せそうだから、見ていて飽きないよ

どんな夢を見ているんだい

なぁ、なんでそんなに嬉しそうなんだい

規則正しく繰り返されるスピーを何度聞いたか忘れた頃

僕もふわぁーと大きくあくびした

なんだい、君、夢に誘っているのかい

うんうん。まぁ急ぎの仕事もないし、まあいいか

君に誘われ夢の中へ

きっといい夢に連れて行ってくれるんだろう

ならば誘惑に乗ってみるのも悪くはない

10分創作#1「不満げな鳴き声」

不満げな鳴き声

 

ふわりと足に彼女の肢体がまとわりつく。

 

ああ、うん。もうちょっとだけ。

もうちょっとで仕事が終わるから。

 

君が来るまではいつだってスランプで

あともう少し、もうちょっと待ってとか考えたこともなかったけれど

今は、それがちょっと嬉しい。

 

うん、やっぱり書くことが好きだ。そう実感できる。

 

足の甲に彼女の前足が乗る。

ふわりとした感触が、しっかりと重さを持つものに変わった。

 

もうちょっと、もうちょっとだから。

 

優しく声をかけるも顔は画面を向いたまま。

頭の中の言葉が、カタカタとキーボードから世界に生まれる。

うん、いい感じ。そう、次は・・・・

 

トッ!!

 

音に反応して顔を放すと画面の隣に君がいた。

目が合う。だいぶご立腹のようだ。

 

「ニャー」

 

追い討ちをかけるようにわかっていますか?の声。

いつも鳴かない君の声。

 

ごめん。ごめん。

 

手を伸ばすとすかさず頭を差し出して、ゴロゴロと喉を鳴らす。

 

あぁ、うん。

君が一番大事。

 

筆が捗るのはちょっと君の声が聞きたいからかもしれない。

 

10分創作なるものを始めんとす。

mac book air を手に入れたのですが、

なんだかあんまり使ってないので

それは、買ったのにまずいなという気になり、

7月だし、10分創作なるものに手を出してみる。

 

 

まぁ、要するに頭を使っていないので、

レーニング的に毎日使っていこうという目論見。

 

お題だけ決めて、そこから10分でタイマーセット。

タイマーなったとこで、締めを書き始め、出来るだけ早く終わりに導く。

 

という、非常に単純なルールでやっていこうと思います。

 

 

いつまで続くかわからないけれど、できる限り続けて行きたい。

あと、展覧会感想もたくさん溜まっているので、消化したい。

 

ダンプリングを見終えて。

なんだか、腑抜けてる中、ダンプリングを観る。

 

まぁ、設定はありきたりなんだろうけど。でも、最終的に自分を受け入れられるようになる素敵な映画。

 

なかでも、ブーの言葉がささる。

君は美しい。それ以下の評価をする奴らなんかどうでもいい。

 

そのあとの、俺の気持ちは?

 

の顔がもう、切なすぎてな。

 

でも、ウィルの私なんかな気持ちも非常によくわかるので、ほんと、切ない。

 

 

ね。素直に受け止められんよね。受け止められていたら、そんな悩まんし、もっと素直にことが運ぶわ!ってなる。

 

うん。

チョコとチョコより甘いもの

なんつーか、もやもやするもんなんだなぁ

 

と最近、俺は悟った。

 

そう、好きな人ができる、ということはもやもやするものらしい。

もちろん、楽しいこともあるし、嬉しいこともあるし、なんだかんだ言ってないほうがマシ!とはならないものの、、、なんというか収まりつかぬ感情が生まれるものなのだということにやるせない思いを抱いている。

 

ここまで書けば自ずとじんわり伝わっているのではないかと思うが、俺は恋愛初心者である。そして、付き合って1ヶ月の可愛い彼女がいる。

 

年の瀬になんとなく付き合うことになって、一緒にいる時間が増えて、なんとなく好きだったがぐわぁっと好きに殺されそうになるくらいの瞬間が訪れるくらい好きに成長したわけだ。

 

そして、今月は例のイベントがある。

バレンタインデーである。

 

彼女ができる前は、チョコレート?なにがそんなに美味しいの?的な穿った見方をしていたのだが、今年はなんだかソワソワしてしまう。

 

もらえるのだとは思う。

彼女は決して非情ではない。

 

ただあと数日になろうとしている今現在、予定空いてる?とか甘いもの嫌いかな?とか、なんにもリサーチの言葉がこない。

 

イベント好きな彼女だからこそ心配になる。何か気に障ることでもしでかしたか、俺。

 

忙しいんだとか、嫌われたかとか、男としてのプライドはとか、、、、あー、ぐだぐだ考えても仕方ない。

 

なんとなく悔しいが、早い所もやもやから逃げたくてスマホを手に取る。

 

いつもの動作でラインのいちばん上のトークを開く。

 

なぁ、14日時間ある?

 

 

まだ既読はつかない。

 

チョコが欲しいかと聞かれれば、チョコは欲しい。

でも、本当はチョコなんかなくたっていい。

 

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あぁ、好きになるってめんどくさい。

 

 

 

 

 

今週のお題「わたしとバレンタインデー」

冬は珈琲牛乳の季節だと思うんです。

そう呟いて彼女は、レンジで温めた牛乳を取り出し、インスタントコーヒーのスティックの封を切った。

 

サラサラサラ

 

素敵な音だなと思う。そして同時にふわっと珈琲の香りが広がる。

 

 

真っ黒な上澄みをみつめて

 

ここからがいちばん、わたし、すきです

 

と口元を緩める。手にはお気に入りのスプーンをたずさえて。

 

ゆっくりと沈め、渦をつくる。

その優しき動作に見惚れてしまう。

そして、一口飲んで

 

うん、美味しい

 

と笑う。

 

まったりな休日のはじまりに君と一緒なことがひどく愛おしいと思う瞬間。

 

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こんな彼女がいたら最高だな、という、冬の妄想。

 

このあと、一口もらって苦っ!てなって砂糖入れようとして、彼女に『砂糖入れたら珈琲牛乳じゃなくてカタカナのコーヒー牛乳になっちゃいます!やめてください!』って怒られてほしい。