冬は珈琲牛乳の季節だと思うんです。
そう呟いて彼女は、レンジで温めた牛乳を取り出し、インスタントコーヒーのスティックの封を切った。
サラサラサラ
素敵な音だなと思う。そして同時にふわっと珈琲の香りが広がる。
真っ黒な上澄みをみつめて
ここからがいちばん、わたし、すきです
と口元を緩める。手にはお気に入りのスプーンをたずさえて。
ゆっくりと沈め、渦をつくる。
その優しき動作に見惚れてしまう。
そして、一口飲んで
うん、美味しい
と笑う。
まったりな休日のはじまりに君と一緒なことがひどく愛おしいと思う瞬間。
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こんな彼女がいたら最高だな、という、冬の妄想。
このあと、一口もらって苦っ!てなって砂糖入れようとして、彼女に『砂糖入れたら珈琲牛乳じゃなくてカタカナのコーヒー牛乳になっちゃいます!やめてください!』って怒られてほしい。