つれづれなるがままに

つれづれなるがままにひぐらし。すずりにむかいてこころにうつりゆくよしなしごとをそこはかとなくかきつくれば、あやしうことものぐるおしけれ。

10分創作#3「野良猫との逢瀬」

野良猫との逢瀬

 

最近よくみる顔見知り程度の

そんな距離感

僕は君を認識しているけれど

君は果たして気づいてくれているのかな

そんなことを考えて見つめていたら

なんとなしに眼が合いそうになって

慌ててそらした

首輪はなし

でも毛並みは上々

君はどこに住んでいるの

触ってもいい?

心の中はおしゃべりなのに

なんだって近づけないんだ 意気地なし

ここにくれば逢える

そう知ってから何度目か

君のくせもちょっと覚えた

あくびをするときに目をぎゅっとつぶること

毛づくろいは肩から始めること

花より蝶がすきなこと

水飲み場のポタポタ垂れる水滴をキャッチするのがうまいこと

それでもまだまだ出会うたびに新しいことに気づくんだ

そう今日もまた新しい発見。

君に逢えると知ってからここに寄るのが楽しくなって

なんだか君に会うのが本当の用事みたい

君と待ち合わせてる

言葉を交わさない待ち合わせ

二人とも互いにいるのを確認しあうだけ

バイバイまたね、また明日

そう心の中で伝えてさようなら